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徹底リサーチをAIに任せる時代が到来:OpenAIがChatGPTの新機能を発表

執筆者の写真: Takashi KimuraTakashi Kimura

OpenAIが新たに発表した「ChatGPT Deep Research」は、複数のウェブサイトや専門的な資料を横断的に参照し、深い分析や考察を行うための機能です。従来のChatGPTよりも長い時間をかけてリサーチを行い、論拠や出典を含めた詳細な回答を提示してくれます。専門性の高い業務や、入念な下調べを要する買い物などに活用できる点が注目されています。


以下に、TechCrunchの記事(2025年2月2日付・Anthony Ha氏執筆)「OpenAI unveils a new ChatGPT agent for ‘deep research’」の主な内容を日本語でまとめました。


概要

• 新機能:「deep research」

• OpenAIがChatGPTに新たに追加したエージェント機能で、複雑かつ詳細なリサーチを支援する。

• 従来のChatGPTが得意とする「手短な回答」や「要約」ではなく、複数のウェブサイトや文書を比較検討した上で深堀りする形の応答を目指す。

• 専門的な知識分野(金融、科学、政策、エンジニアリングなど)の利用を想定しているほか、高額な買い物(自動車、家具など)での事前調査にも役立つと説明されている。

• リリース形態・提供範囲

• 「ChatGPT Pro」ユーザーから先行公開(1か月あたり100クエリの上限付き)。

• 次段階としてPlusやTeam、さらにEnterprise向けに拡大予定。

• ローンチは特定地域向けに限られ、英国・スイス・EEA(欧州経済領域)に対する提供時期は未定。

• 利用方法

• ChatGPTのインターフェースで「deep research」モードを選び、質問(クエリ)を入力。必要に応じてファイルやスプレッドシートを添付できる。

• 回答の生成には5~30分程度かかり、その間にブラウザなどを自動的に巡回して情報を収集・分析する。回答ができあがったら通知が届く仕組み。

• 現在はWeb版のみ対応で、スマホアプリやデスクトップアプリへの統合は今月中に予定。

• 出力形式・今後の拡張

• 現状の出力はテキストのみだが、今後は画像やデータ可視化グラフを直接組み込む機能を追加予定。

• 将来的には「購読制のデータベースや企業内リソース」にもアクセス可能にする構想。


技術背景と精度

• 新モデル「o3」

• 今回の「deep research」は、OpenAIが発表した新しい推論特化型のAIモデル「o3(オー・スリー)」を利用。

• ブラウザ検索やPythonツールを組み合わせ、より複雑なタスクをこなせるよう強化されている。

• 強化学習(Reinforcement Learning)を活用し、実際のブラウズやコード実行を繰り返すことで推論性能を高めた。

• 評価:「Humanity’s Last Exam」

• 高難度テスト「Humanity’s Last Exam」で26.6%の正答率を達成。

• 一見低く見えるが、他モデルが3~6%台の正答率にとどまる中、相対的に大きく上回る。

• 複雑で専門知識を要する問題セット(3000問以上)での比較としては有望な結果とされる。

• 課題とリスク

• AI特有の「幻覚(Hallucination)」や誤った情報の提供リスクを完全には排除できない。

• 出典(Citation)や思考過程を明示して検証しやすくしたが、それでも誤情報が紛れ込む可能性がある。

• フォーマットの乱れや引用形式の誤りなど、細かな問題も確認されている。


今後の展望・競合

• ユーザーへのメリット

• 深いリサーチ結果が得られ、出典と考察プロセスが「ある程度」可視化されるため、ただの簡易要約より信頼度が高い場合がある。

• アカデミック用途や重要な意思決定に役立つ可能性。

• 利用上の注意

• 十分に検証や裏取りを行わないまま、AIの出力を鵜呑みにしてしまうリスクが残る。

• OpenAIは「引用や文献を必ず再確認すること」を推奨。

• Googleとの類似機能

• 記事中では「Googleも同名の“deep research”機能を発表していた」との言及があり、今後は他社との競合がより活発化しそうな情勢。


まとめ


OpenAIの「ChatGPT deep research」は、複雑な調査・分析や専門的タスクへの対応を目指した最新機能。長時間かけて多方面から情報を収集・評価し、出典付きのレポートを提示する点が特徴です。一方で、依然として誤情報や曖昧な出典が混在するリスクは残るため、ユーザー自身の検証が不可欠。今後も高精度化や多様なデータソース連携が進むことで、研究者や高度情報利用者にとって有力なツールとなる可能性があります。

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