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自律型AIエージェントがメタバース『セカンドライフ 』に実装と発表。

2024年3月18日、サンフランシスコで開催された世界最大のゲーム開発者会議「GDC 2024」にて、自律的な対話や活動を行う米Convai社AI機能が、歴史あるメタバースプラットフォーム「セカンドライフ」に実装されることが発表されました。




このようなAIは一般的に自律型AIエージェントと呼ばれ、スタンフォード大学の研究で複数のAIの挙動が観察された実験結果*として知られていますが、一般公開されているメタバースに実装されるのはこれが初めてです。 セカンドライフが選ばれた理由の一つとして、そのプラットフォームがイベントに過度に依存せず、多様性が根付いた社会が発展している点が挙げられます。(* https://arxiv.org/pdf/2304.03442.pdf )


この自律型AIは、ビデオゲームのノンプレイヤーキャラクター(NPC)のようにプログラムに依存した行動を取るのではなく、様々な国の利用者との対話を通じて学習することが特徴です。これにより、人間とAIが共存する新たな社会を形成する基盤が築かれます。


現在、文書生成に優れたChat GPT、画像生成に特化したMidJourney、音楽生成で注目を集めるSUNOなど、多様なAIが続々と登場しています。ユーザーがAIに特定の要望を伝えると、AIが即座にそれを具現化する能力を持ちます。しかし、基本的には特定のタスクを一対一で処理する「平面の世界のAI」として設計されています。


メタバースという3次元空間においては、実世界のようにAIが様々な要素と組み合わせて動作することで、全く新しい体験が期待されています。 特に日本の文化では、漫画やアニメを通じて人間とロボットが共生する未来が頻繁に描かれており、メタバースはそのようなコンセプトを現実のものにする場所となります。例えば、のび太が「ドラえもん」に、「この広い空き地に素晴らしいマンションを作って」という要望に応じて、数分で設計から内覧までを可能にすることができます。


これは、従来の不動産開発が年単位で必要とするプロセスを数分で完了させることが可能になり、設計から建設、内覧までをAIが迅速に処理します。



新たに発表されたマイクロソフトの大規模言語モデル型AI「Wizard LM-2」は、AI同士が効率よく学習を行えるよう設計されており、例えば、薬学と物理学に特化したAIが共同で新素材の開発に取り組むなど、新しい素材の開発や物理シミュレーションに基づく耐久テストなど、AIの能力を生かした多面的なアプローチが可能です。 




このように、メタバースにおけるAIの応用は、私たちの生活や産業に革命をもたらす可能性を秘めており、AI技術の進化がさらにその可能性を広げています。遅かれ早かれ、どの業種でもAIへの依存は不可避となるでしょう。既に私たちはすでにその時代の入り口に立っています。


この新たな時代を迎えるにあたり、最高レベルの専門的なAIを持つことが、国の力を形成する重要な要素となります。外国のAIへの依存は、学習データの提供だけでなく、広義では機密情報漏洩、またはアクセス権の停止などのリスクが発生します。このため、日本政府は半導体の安定供給と情報漏洩のリスクを軽減するためにガバメントクラウドの推進を決定しました。しかし、世界デジタル力ランキングで日本の位置が依然として低いことは、大きな課題です。


2022年3月、Microsoftはロシアにおけるサービス提供と製品販売を停止し、6月にはロシア国内でのWindowsのダウンロードを禁止しました。さらに9月には更新プログラムへのアクセスも禁止しました。同様に、米国の大手通信事業者であるコージェント・コミュニケーションズとルーメン・テクノロジーズは、ロシアでのインターネットサービスを2022年3月に停止しました。これらの行動は、国際的な情勢変化がテクノロジーへのアクセスにどれほど影響を及ぼすかを示しています。AI技術も同様に、何らかの理由で停止された場合、経済に大打撃を与える可能性があり、日本の安全保障にとって重大なリスクとなり得ます。


この状況に対応するため、優秀な学者の監督のもと、例えば、量子や水素エネルギーなどの日本の得意分野に特化したAIの開発を進めることが重要だと考えられます。これにより、諸外国のAI技術との差を埋め、国家間の相互的な依存のバランスをとり、日本の安全保障を強化することが期待されます。


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